仏陀と神様の違い
本来タイ仏教では、仏陀(僧侶)のみを信仰しています。つまり神様や天人は、タイ仏教の対象ではありません。そして、このガネーシャ像はタイでは天人と呼ばれる存在になります。そのため、僧侶とや仏像(タイ語で仏像は「プラ」と呼びます)は、このガネーシャと同じ場所に祀ることはできません。祭壇にも仏像を一番高い位置に置いて、神様や天人がその下に来るようにします。
タイ仏教において、プラは功徳を積み重ねることにより、来世も恵まれた人生になると教える人生の師にあたります。そして煩悩を絶って修行することで、特別な力を持つことができる存在として崇めらているのです。
変わって神様や天人は、商売繁盛や恋愛成就など、言わば現世への利益になる願いを叶えてくれる存在となります。そのためプラとは一線を引いた別の存在となるのです。
インドの神話に登場する「ガネーシャ像」とは?
ガネーシャ像は4本の腕とゾウの頭、片方が欠けた牙の姿で、ネズミを召使いに従えています。この姿には諸説ありますが、元は人の頭だったのが、父親である「シヴァ神」によって首をはねられて、その後近くを通ったゾウの頭を代わりに付けたと言うのが有名。そしてガネーシャによって退治された悪魔はネズミの姿に変えられたとも言われています。
すぐに願いを叶えてくれる?有名なガネーシャ像のお寺
タイにあるガネーシャ像で有名なのが、バンコクから車で東へ1時間半ほどの場所にあるチャチュンサオ県にあるวัดสมานรัตนาราม(ワット・サマーン ラッタナーラーム)というお寺。ここにはピンクの特大ガネーシャ像が悠々と横たわっており、その周りに沢山の召使いのネズミたちがいます。
タイの人々の間では、ここのガネーシャ像は最も早く願いを叶えてくれると大人気のお寺なのです。さらに、このお寺の変わったところは願い事をする際に直接ガネーシャには言わず、召使いのネズミに伝えるということ。ガネーシャの周りに立つ7色のネズミは、それぞれ曜日の色を意味しているので、自分の曜日の色と同じネズミを見つけましょう。
自分の曜日の色のネズミを見つけたら、賽銭箱にお金を入れて耳打ちで願い事を伝えます。その際にもう片方の耳を手で塞いで、聞き漏れがないようにします。そうすればネズミが後でガネーシャ像にきちんと願いを伝えてくれると言われています。